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第十五回:SEは否定から入れ


このコラムも何だかんだで十五回目ですよ。継続は力なりですね。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。皆さんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある第十五回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

SEは否定から入れ

です。

ぶっちゃけ「否定から入れ」まで言うのは言い過ぎですけどね。
過激なタイトルの方が食いつきがいいので「入れ」と言い切ってみました。
実際には「否定から入っても良い」くらいのニュアンスです。

ビジネス書や経営者のコラムを読んでいると「話に否定から入るのは良くない」という意見を、よく見かけます。
あるいは「否定から入るやつは、うんぬんかんぬん」のような説教話を、見たり聞いたりすることもあります。

そのような意見を見て「なるほど!否定から入るのは良くないのか!よし!できるだけ肯定から入ろう!」と考えちゃう純粋で真面目な若手技術者に対して

くだらないことを気にするな。大事なのはそこじゃないよ。

と言いたかったので、今回のコラムで取り上げてみました。


営業職と技術職の対立


一般的に、営業さんと技術者さんは対立することが少なくありません。
理由はいろいろありますが

実現可能か分からないことに対して、営業職はYesから入り、技術職はNoから入る

傾向にあるのが一つの要因でしょう。

営業さんは技術者さんに対して「何でもかんでも、すぐに『できない』『できない』言いやがって」と文句を言います。
技術者さんは営業さんに対して「何でもかんでも安請け合いしてきやがって」と文句を言います。

でも、これって、お互いの仕事を考えれば仕方のないことだと思うのです。

営業さんの相手は人間です。
人間は融通がききます(交渉の余地があります)。

一方、技術者さんの相手は機械です。
機械は融通がききません(交渉の余地がありません)。

対人間であれば、No!をYes!に変えることは可能です。
営業さんは、仮にNo!があってもそれをYes!に変えることを前提にして、最初からYes!と答える場合が多々あるでしょう。
むしろ、いかにYes!を引き出すかが営業さんの腕の見せ所のはずです。

私は営業職に携わったことがないので断言できませんが、営業さんは「チャレンジしてダメだったら考える」姿勢が大事なのではないでしょうか。
そのためには、話にYes!から入る必要があるはずです。

それに対して、対機械の場合は、No!はNo!です。
別のYes!を用意することは可能でも、No!をYes!に変えるのは簡単ではありません。
何をどんなに死ぬ気で頑張ったところで、無理なものは無理なのです。

ですから、技術者さんは迂闊にYes!と言えません。
「Yes!と言ったけど、どう頑張ってもNo!だった」となる可能性があるからです。

調べてYes!だと分かったら、心置きなくYes!と言えますけどね。
そうでない場合は、Yes!と答えることを躊躇します。

そのような状態でYes!かNo!を二択で迫られるのです。
技術者さんの多くは「Yes!って言うよりNo!って言っておいた方がリスクは少ないな」と判断するでしょう。

Yes!と答えて生じるリスクは「できるって言ったのにできてないじゃん!」です。
その後に続くのは、恐らく「責任をもってやれ!」でしょう。

No!と答えて生じるリスクは「できないって言ったのにできるじゃん!」です。
その後に続くのは「この嘘つき!」でしょうか。

地獄を見るよりは嘘つき呼ばわりされる方が百万倍ましです。

これが技術者さんの心理です。
営業さんにとって歯がゆいのは理解できますが、迂闊なYes!は自分の首を絞めると身に染みて分かっています。

若手の技術者さんは

迂闊にYes!と言うと地獄を見る

ことを理解しておいてください。

話を聞いた時点で直感的に「これは……ヤバい」と分かることもあるでしょう。
否定するべきところで否定することを躊躇してはいけません。
一瞬の油断が命とりです。


SEは否定から入っていい


私見ですが「否定から入るのは良くない」という意見は、対人間を想定した意見だと思います。

上でも書きましたが、人間は融通がききます(交渉の余地があります)。
融通がきくので、調整すればNo!がYes!に変わるかもしれませんよね。
言わば、Yes!かNo!か完全には定まっていない状態です。

「否定から入るのは良くない」というのは「努力の余地ありで、いきなりNo!の結論を出すのは怠慢じゃないかね?」という意見だと解釈しています。

ですから、SEが否定から入るのは悪いことではありません。
技術的なハードルの場合、No!はNo!です。Yes!にはなりません。
実現不可能なことは「無理なものは無理!」と自信を持って言ってください。

話が納期、予算の場合は少し微妙ですけどね。
個人的にはNo!から入って構わないと思っています。
提示された納期、予算に対して「頑張っても無理なものは無理」な状況はあるからです。


ただし、否定で終わっちゃダメ


繰り返しになりますが、SEは話をするとき否定から入って構いません。
無理なものは「無理!」と遠慮なく言って構わないのです。

ただし、否定するだけで終わってはいけません。
否定から入ることが「それでは、どうすれば実現できるのか」「それでは、どうすれば満足できる結果を得られるのか」を考えなくていい理由には、ならないからです。

仕事の本質は「お客さまに満足していただいて対価を得ること」です。
究極的には、お客さまにご満足いただければ、システムなんて作らなくても許されます。

例えば、ピヨ太君が、お客さまから「顧客管理システムが欲しいんだよ~。さくさくっと作れるでしょ?」と言われたとしましょう。
予算は100万円だそうです。

ところが、ピヨ太君は顧客管理システムを作るノウハウを持っていません。

そこで、ピヨ太君は「いや~、顧客管理システムは作れないっすわ~。代わりと言ってはなんですが、月1万円で使える顧客管理サービスを見つけました。これを使いませんか?」と提案しました。

お客さまは、その提案に満足しました。

如何でしょうか。
ピヨ太君は話を否定から始めています。
でも、話の運び方としては合格ですよね。
お客さまは満足されています。

それがすべてです。

別に肯定から入ろうと、否定から入ろうと、そんなことは重要ではありません。
大事なのは

相手を満足させられるか

です。

話に否定から入るのは問題ではありません。
否定だけで終わるのが問題なのです。


上手な否定の仕方


最後に、相手を満足させる否定の仕方を教えてあげましょう。

一般的に、相手の話を否定するときには「No,Because(ダメ!なぜならば~)」よりも「Yes,But(いいね!でもさ~)」が良いと言われています。
「話は否定から入るな」ですね。

私は「No,But(ダメ!だけど~)」が良いと考えています。
例えば「う~ん、それをやるのは無理だな~。だけど、これをこうしたら代わりにはなるんじゃね?」です。

おまえの拙い意見は、すべて否定してやる!
しかし、おまえが想像すらしたことがないような満足感を与えてやる!


の心意気でしょうか。

大事なのは、相手を肯定するか否定するかではありません。
相手を満足させられるか否かです。

仮に相手の意見を全否定したとしても、相手をきちんと満足させられれば、あなたは優秀な人だと認められますよ。


まとめ


今回は「SEは否定から入れ」というテーマで、SEにありがちな「話に否定から入ること」の是非について書いてみました。

私個人の意見としては

別に否定から入ってもいい

です。

もっと率直に書けば

別に肯定から入ろうと、否定から入ろうと、どうでもいい

と考えています。

大事なのは

相手を満足させられるか

です。
否定するか、肯定するか、ではありません。

ただし、肯定した方が相手の満足を得やすいのは確かです。

否定から入るときは

No,But(ダメ!だけど~)

を意識すると良いと思います。

おまえの拙い意見は、すべて否定してやる!
しかし、おまえが想像すらしたことがないような満足感を与えてやる!


の心意気を持って、頑張ってください。



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。